No.380 - 似鳥美術館

過去の記事で、13の "個人コレクション美術館" を紹介しました。以下の美術館です。 No. 95バーンズ・コレクション米:フィラデルフィア No.155コートールド・コレクション英:ロンドン No.157ノートン・サイモン美術館米:カリフォルニア No.158クレラー・ミュラー美術館オランダ:オッテルロー No.167ティッセン・ボルネミッサ美術館スペイン:マドリード No.192グルベンキアン美術館ポルトガル:リスボン No.202ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館オランダ:ロッテルダム No.216フィリップス・コレクション米:ワシントンDC No.217ポルディ・ペッツォーリ美術館イタリア:ミラノ No.242ホキ美術館千葉市 No.263イザベラ・ステュアート・ガードナー美術館米:ボストン No.279笠間日動美術館茨城県・笠間市 No.303松下美術館鹿児島県・霧島市 笠間日動美術館以外は、いずれもコレクターの名が冠されています。ちなみに最後の「松下」は、松下幸之助のことではなく、霧島市出身の医師、松下兼知かねとも氏です。 今回は、その "個人コレクション美術館" シリーズの14番目として、北海道・小樽市にある似鳥美術館のことを書きます。 小樽 似鳥美術館について語る場合、まず、小樽という都市の歴史から入るのが適切でしょう。小樽は、明治になってからニシン漁の拠点として発展を遂げました。多いときには年間1億トンの水揚げと…

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No.379 - 高校数学で理解する秘書問題

No.376「高校数学で理解するマッチング問題」に関連する話題を取り上げます。関連といっても "答が同じ数値になる" という意味の関連で、問題の性質は違います。 No.376 では、一般的にマッチング問題(出会いの問題)と言われるものを「席替えの成功確率」という形で提示しました。次のような問題です。 小学校の 40人のクラスで、席替えを "くじ引き" でやるとします。まず、現在の席に 1 ~ 40 の席番号を割り振ります。担任の先生は、1~40 の数字を書いた紙を40枚用意し、その紙を数字が見えないように折って、箱の中に入れてかき混ぜます。生徒は順に箱から紙を1枚ずつ引き、そこに書かれている数字がその子の新しい席となります。 もちろんこのやり方だと、今の自分の席番号の紙を引く子が現れる可能性があります。そして「すべての子が現在の席番号と違う番号を引いたとき、席替えは成功」と定義します。40人のクラスで、席替えが(1回のくじ引きで)成功する確率はどれほどでしょうか。 No.376 ではこの確率がおよそ 0.368 であること、また人数が増えると \(\dfrac{1}{e}=0.3678794411\cdots\) に収束していくことを見ました(\(e\) は自然対数の底=ネイピア数)。席替えが成功する確率はクラスの人数が少なければ低く、クラスの人数が多ければ高いと考えるのが普通でしょう。しかし実際にはクラスの人数にかかわらず(6人以上のクラスであれば)ほぼ 0.…

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