No.377 - 私には恋人があるの

このブログでは「言葉の使い方が時とともに変化する」という視点の記事をいくつか書きました。多くは「語彙や意味の変化」に関するもので、   No.144 - 全然OK   No.145 - とても嬉しい   No.147 - 超、気持ちいい   No.362 - ボロクソほめられた が相当します。ここでは、"全然"、"とても"、"超"、"めちゃ"、"ぼろくそ" などをとりあげました。それ以外に「文法の歴史的変遷」に関する記事もあって、   No.146「お粥なら食べれる」 です。この記事の中では "可能" を示す表現の変遷をたどりました。 我々は言葉によって考えています。その結果、言葉は人の認知能力に影響を与えます(No49, No.50, No.139, No.140, No.141, No.142, No.143)。また、風景や絵を見るときも、その全体や部分に言葉を割り当て、その言葉によっても記憶します。言葉は我々の認識・思考・発想・記憶を豊かにすると同時に、制約します。言葉には関心を持たざるを得ないのです。 今回は、そういった一連の記事の継続で、「文法の歴史的変遷」の例を取り上げます。 日本経済新聞の "春秋" 2024年8月11日の日本経済新聞の朝刊コラム "春秋" は、日本国語大辞典(小学館。1972年刊行開始)の改訂作業が始まるというテー…

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No.376 - 高校数学で理解するマッチング問題

今まで「高校数学で理解する ・・・・・・」というタイトルの記事をいくつか書きましたが、その続きです。過去の記事は、 No.310-1  高校数学で理解するRSA暗号の数理No.313  高校数学で理解する公開鍵暗号の数理No.315-6  高校数学で理解する楕円曲線暗号の数理No.325  高校数学で理解する誕生日のパラドックスNo.329  高校数学で理解するレジ行列の数理No.354-9  高校数学で理解するガロア理論(1)~(6)No.365-6  高校数学で理解する ChatGPT の仕組みNo.369  高校数学で理解する素数判定の数理No.370  高校数学で理解するガロア理論(7) の、総計 17 の記事です。分類すると、 ① 公開鍵暗号とその関連技術(素数判定) No.310, 311, 313, 315, 316, 369 ② ガロア理論 No.354, 355, 356, 357, 358, 359, 370 ③ 直感に反する確率 No.325, 329 ④ 生成AIの技術(=Transformer) No.365, 366 となります。今回の "マッチング問題" は「③ 直感に反する確率」のジャンルに属するものです。 なお、"高校数学で理解する" というタイトルは、「高校までで習う数学だけを前提知…

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