No.371 - 自閉スぺクトラムと伊藤若冲

No.363「自閉スペクトラム症と生成 AI」は、自閉スペクトラム症の女性を主人公にしたフランスの警察ドラマ、「アストリッドとラファエル」に触発されて書いた記事でした。今回は自閉スペクトラムと絵画との関係について書きます。 皇居三の丸尚蔵館 皇室が国に寄贈した美術工芸品を収蔵する三の丸尚蔵館は、新施設の建設工事(第1期)が完成し、これを記念して2023年11月から2024年6月まで、所蔵作品を展示する開館記念展が開催されました。これは第1期から4期に分かれており、その第4期の展示(2024年5月21日~6月23日)に行ってきました。 第4期には 14点の美術工芸品が展示されていて、どれもすばらしいものでしたが、何と言っても目玉は、狩野永徳の『唐獅子屏風』(国宝)と伊藤若冲の『動植綵絵』(全30幅のうちの4幅。国宝)でしょう。私は『唐獅子屏風』は別の展覧会で見たことがあったのですが、『動植綵絵』は初めてでした。 伊藤若冲の『動植綵絵』 そもそも4期に渡るこの展示会は、『動植綵絵』の "全30幅のうちの12幅" が大きな "目玉作品" でした。そのうちの8幅は第1期の前期と後期にそれぞれ4幅が展示され、今回が最後の4幅です。展示されていたのは、 ・老松孔雀図 ・諸魚図 ・蓮池遊魚図 ・芙蓉双鶏図 でした。なお、No.215「伊藤若冲のプルシアン・ブルー」に書いた『群魚図《鯛》」は『諸魚図』とは別です。今回の作品は蛸たこが目立つので『群魚図《蛸》』と呼…

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