No.325 - 高校数学で理解する誕生日のパラドックス
「高校数学で理解する・・・」というタイトルで、今まで5つの記事書きました。
No.310-311 高校数学で理解するRSA暗号の数理
No.313 高校数学で理解する公開鍵暗号の数理
No.315-316 高校数学で理解する楕円曲線暗号の数理
ですが、いずれも現代のインターネット社会における情報通信の基礎となっている "公開鍵暗号" の数理を、高校レベルの数学だけを前提知識として述べたものでした。
今回はその「高校数学で理解する\(\cdot\cdot\cdot\)」の続きですが、公開鍵暗号よりは断然軽い話題で、No.149「我々は直感に裏切られる」でとりあげた「誕生日のパラドックス」をもう一度、考察します。No.149 では「バースデー\(\cdot\)パラドックス」と書いたもので、よく知られた話です。
誕生日のパラドックス
誕生日のパラドックスとは、
誕生日のパラドックス
23人のクラスで誕生日が同じ人がいる確率は 0.5 を越える
というものです。一瞬、えっ! と思ってしまいますが、数学的には全く正しい。普通、パラドックスと言うと「絶対に不可能なことが可能なように思えてしまう」ないしは、「あり得ないことがあり得るように見えてしまう」ことを言いますが、この誕生日のパラドックスはそれとは違う「疑似パラドックス」です。つまり、
疑似パラドックス
= 直感に反するが、数…