No.188 - リチウムイオン電池からの撤退
今までの記事で、リチウムイオン電池について2回、書きました。
No.39リチウムイオン電池とノーベル賞
No.110リチウムイオン電池とモルモット精神
の二つです。No.39はリチウムイオン電池を最初に作り出した旭化成の吉野氏の発明物語、No.110はそのリチウムイオン電池の製品化(量産化)に世界で初めて成功した、ソニーの西氏の話でした。
そのソニーですが、リチウムイオン電池から撤退することを先日発表しました。その新聞記事を振り返りながら、感想を書いてみたいと思います。No.110にも書いたのですが、ソニーのリチウムイオン電池ビジネスの事業方針はブレ続けました。要約すると次の通りです。
◆盛田社長・岩間社長・大賀社長時代(1971-1995)
携帯機器用電池・自動車用電池を推進。1991年、世界で初めて携帯機器用を製品化。車載用は日産自動車のEVに供給。
◆出井社長時代(1995-2000)
自動車用電池から撤退(1999年頃)
◆安藤・中鉢・ストリンガー社長時代(2000-2012)
自動車用電池に再参入を表明(2009年、2011年の2回)
◆平井社長時代(2012-)
電池ビジネス全体の売却を検討し(2012年末)、それを撤回(2013年末)
この詳しい経緯は、No.110「リチウムイオン電池とモルモット精神」に書きました。こういった事業方針の "ブレ" が過去にあり、そして今回の発表となったことを…