No.183 - ソニーの失われた10年
No.159「AIBOは最後のモルモットか」の続きです。最近何回か書いた人工知能(AI)に関する記事の継続という意味もあります。
(No.166、No.173、No.174、No.175、
No.176、No.180、No.181にAI関連記事)
ソニーのAIBOは販売が終了(2006年)してから10年になりますが、最近のAIBOの様子を取材した記事が朝日新聞に掲載されました。「あのとき それから」という連載に「AIBOの誕生(1999年)と現在」が取り上げられたのです(2016.6.1 夕刊)。興味深い記事だったので、まずそれから紹介したいと思います。
AIBOの誕生(1999年)と現在
ソニー製ではない、ソニー生まれである。この誇らしげなコピーとともに、ロボット犬「AIBOアイボ」は1999年に生まれた。外からの刺激に自律的に反応して、命があるかのようにふるまう世界初のエンターテインメントロボットだ。国内では20分間で三千体を完売する人気だった。
有名なロボット工学三原則に対して開発者はアイボ版の三原則を唱えた。人間に危害を加えないという第1条は同じだが、第2条で反抗的な態度をとることが、第3条では憎まれ口を利くことも時には許されると定めている。人間に服従するだけの存在ではなく、楽しいパートナーに。これが設計の根本思想だった。
朝日新聞(2016.6.1 夕刊)
(白石明彦 記者)
記事に出てくる「ロボット工学三原則」とは、アメリ…