No.160 - モナ・リザと騎士の肖像

No.156「世界で2番目に有名な絵」の続きです。No.156 では、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏なみうら』が "世界で2番目に有名な絵" としたのすが、もちろん "世界で1番有名な絵" は『モナ・リザ』です。そして『モナ・リザ』は "一見どこにでもありそうな女性の肖像画" にもかかわらず、なぜ "世界で1番有名な絵" にまでなったのか、No.156 ではその理由を推測しました。 こだわるようですが、その理由について別の角度から考えてみたいと思います。今回は「モナ・リザの模写」とされる絵との対比からです。 プラド美術館の "モナ・リザ" プラド美術館に『モナ・リザの模写』(作者不詳)が展示されています。普通、プラドのような超一流の美術館が、第一級の名画に混じって「模写作品」を展示することはあまりないと思います。"世界で1番有名な絵" の模写だからと言えそうですが、『モナ・リザ』の模写と称する絵は世の中にたくさんあります。しかも、プラド美術館の模写は著名画家のものではありません。「ラファエロが模写した」のなら展示して当然かも知れないが、この絵の作者は "不詳" です。 ダ・ヴィンチの工房 「モナ・リザの複製」(1503-1516頃) プラド美術館 (Wikimedia) プラド美術館の説明によると、この絵は ◆数ある『モナ・リザ』の模写の中では、最も古いものであり、 ◆ダ・ヴィンチが『モナ・リザ』を描く姿を見ていた直弟子が『モナ・リザ』とほぼ同時期に模写した …

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No.159 - AIBOは最後のモルモットか

ソニーは日本を代表するエレクトロニクス会社ですが、今までソニーについて次の3つの記事を書きました。 No.54ウォークマン(1)買わなかった理由 No.55ウォークマン(2)ソニーへの期待 No.110リチウムイオン電池とモルモット精神 今回はその続きです。実は、今回のタイトル(AIBOは最後のモルモットか)は No.55 の中の一節の見出しですが、最近、それを強く思い出す新聞記事を読んだので、その話を書きます。ソニーのスマートフォン(Xperia)の話です。 Xperia Z5 Premium (ソニーモバイルコミュニケーションズ) 2015年11月下旬発売予定の4Kディスプレイ搭載機。2300万画素のイメージセンサーを備え、またハイレゾ音源に対応している。 SONY 転生 モバイル大転換 2015年10月23日から28日まで、日経新聞の星記者がソニーモバイルコミュニケーションズを取材した記事が4回連続で日経産業新聞に掲載されました。記事のタイトルは「SONY 転生 モバイル大転換」です。星記者が取材したのは、ソニーモバイルの十時ととき裕樹社長と、商品開発を担当する川西泉EVP(Exective Vice President)など、数名です。十時氏はソニー銀行をはじめとする金融系サービスの立ち上げや、ソニーの新規事業創出を担当した経歴をもち、また川西氏はプレイステーション・ポータブル(PSP)の開発者です。 ソニーのスマホ事業は、2012年にソニ…

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