No.89 - 酒を大切にする文化

No.31「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」でワイン(赤ワイン)の話を書いたのですが、そこからの連想です。 No.31で書いたのは、イタリアワインである「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」をたまたま飲む機会があり、その味に感動し、それ以降「ワイン好き」になったという経緯でした。しかし「ワイン好き」の理由は、単に味や香りが好きということだけではないと自己分析しています。その他の理由として、   ◆ ワインは(主として)食中酒である   ◆ ワインを大切にする文化がある の2点が大きいと思っているのです。 食中酒というのはもちろん「酒が料理を引き立て、料理は酒のおいしさを増すという相乗作用を引き出す酒」ということです。これが食事の楽しみを倍加させる。ワインと食事の「マリアージュ(=結婚)」などと言います。No.12-13「バベットの晩餐会」では  ・ヴーヴ・クリコ 1860(白・発泡性)  ・クロ・ヴージョ 1845(赤) が食中酒として使われていました。もちろんバベットの故郷であるフランスのワインです。 ワインを大切にする文化というのは ◆ワインの造り手◆レストラン関係者(シェフ、ウェイター、ソムリエなど)◆ワインの流通にかかわる様々な人々や組織(ショップ、評論家、ジャーナリズムなど)◆ワインの消費者 のそれそれが、品質の良いワインを育はぐくみ、楽しむという点において、それぞれの立場か…

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No.88 - IGZOのブレークスルー

IGZO液晶パネル No.39「リチウムイオン電池とノーベル賞」で「好奇心」と「偶然」がリチウムイオン電池の発明に重要な役割を果たした経緯を書きました。この「好奇心と偶然」の別の例として、IGZO(イグゾー)の技術を使った液晶パネルを紹介したいと思います。 2012年11月にNTTドコモは、初めて「IGZO液晶パネル」を採用したシャープ製のスマホを発売しました。メーカーであるシャープは「2014年にはすべてのスマホをIGZOにする」と発表していて(朝日新聞。2013.5.24)、IGZOをブランド化してシェアの拡大を計る戦略のようです。このIGZO液晶パネルを使ったスマホの大きな特徴が省電力です。 ドコモの2013年夏モデルで、液晶パネルの仕様が近い2機種の「実使用時間」を比較してみると次の通りです。 ◆シャープ製 AQUOS PHONE ZETA SH-06E(IGZO)実使用時間約 62.5時間バッテリー容量2600mAh表示パネル4.8インチ(1080×1920)◆サムスン製 GALAXY S4 SC-04E実使用時間約 45.1時間バッテリー容量2600mAh表示パネル5.1インチ(1080×1920) 上記の「実使用時間」とは、ドコモのホームページで次のように説明されています。 一般に想定されるスマートフォンの利用(Web閲覧などを約40分、メールや電話を約20分、ゲームや動画、音楽を約15分、その他アラームなどを約5分の、1日あたり計…

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