No.35 - 中島みゆき「時代」
No.15「ニーベルングの指環 (2) 」において
「循環」をテーマにした音楽作品というと、すぐに中島みゆきさんの名曲「時代」を思い浮かべる
と書きました。その「時代」についてです。
中島みゆきさんがデビューしたのは35年以上も前ですが、もちろん現役のシンガー・ソングライターであり、「夜会」の活動や小説やエッセイの執筆にみられるように、シンガー・ソングライターの枠を越えたアーティストとして活躍しています。「夜会」において中島さんは、プロデューサ + 演出家 + 脚本家 + 作詞家 + 作曲家 + 俳優 + 歌手、という一人七役ぶりです。
彼女が広く知られるようになったのは、1975年10月の第10回ポピュラーソング・コンテスト(ポプコン)で「時代」を歌ってグランプリを受賞してからでした。同年11月の第6回世界歌謡祭でも「時代」はグランプリを受賞しています。彼女はその年の9月に最初のシングル「アザミ嬢のララバイ」を出しているので、こちらがデビュー曲ということになりますが、実質的なデビューはポプコン・世界歌謡祭での「時代」と考えてよいと思います。
「時代」の詩(詞)
中島みゆき全歌集Ⅱ
(朝日新聞社 1998)中島さんの歌は詩(詞)だけを取り上げられて語られることが多いですね。そういうニーズや傾向からか、またファンの強い要望からか、天下の朝日新聞社は過去に「中島みゆき歌集」を3冊も出しています。朝日新聞社出版部にはコアな「みゆきファン」がいたようです。
歌は最低…