No.6 - メアリー・ダイアー
No.3「ドイツ料理万歳」 で書いた「ウィーンの白アスパラ」のように、海外旅行の大きな楽しみは「日本ではできなかった経験や発見」をすることでしょう。それは No.3 のように食事であったり、また、遺跡などの観光、美術館・博物館、自然の景観などの体験です。しかし現代では日本に居ながらにして入手できる「海外情報」が大量にあるので「日本ではできない経験」も予想の範囲内や想定内であることが多いわけです。「思ってもみない経験をして、強く印象に残った、感動した」ということは少なくなったのではないでしょうか。
もちろん「想像以上だった」というのはあると思います。「ローマのコロッセオは想像以上に巨大な建造物だった」とか「カナディアンロッキーの雄大な眺めは想像以上にすばらしかった」とかのたぐいです。しかしこれは、ガイドブックやテレビ番組を見て想像していたのよりはレベルが上だったとか、予想以上の規模であったということであって、「全く想像だにしなかった発見、経験だった」というものではありません。スリにあったというようなネガティブな突発事態でさえ、現代では「想定範囲内のこと」となってしまった感があります。
その、比較的まれになった「想定範囲外の、意外な発見」を米国のボストンでしたことがあります。
ボストンとフリーダムトレイル
ボストンはアメリカの「建国の地」であり、国内からの観光客はもとより世界各国からの観光客も多い街です。日本で言うと京都・奈良でしょうか。かつての米国大統領、ジョン・F・ケネ…